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MRI(核磁気共鳴画像法)とは

MRIとは、核磁気共鳴という現象を利用して体内の内部情報を画像化する方法です。CTとよく似た画像が得られますが、CTとは異なる物質の物理特性に注目しており、CTでは得られない情報を得ることができます。

なお、MRIはX線を用いないので、厳密にはX線検査の一種ではありませんが、便宜上当ページで解説しています。

MRI検査の原理

人体は体の約2/3が水分ができています。つまり、多くの水素原子を含んでいる事になります。水素原子の原子核は磁石と同じような性質を持っており、MRIのように強い磁場の中に水素原子核を置くといっせいに縦方向に整列します。さらに、一定の周波数の電波を照射することで水素原子核が横向きに倒れ、照射をやめると元に戻る緩和現象がおこります。MRIでは、この緩和現象により病変などの組織により緩和運動の速度が異なる事を利用して画像化および診断を行います。

簡単に言うと、磁場と電波を用いることにより体内画像を撮影するようという仕組みとなっています。レントゲンやCTと異なり、被爆の心配が無いことや脳や脊椎といったCTでは検査しにくい断面画像を撮影する事ができるのが特徴です。

 

MRI検査の種類

MRIは大きく造影MRIと磁気共鳴血管画像という二種類の方法が一般的です。

造影MRI

造影MRIとは、造影剤を注入した後にMRI検査を行う方法です。通常MRIは組織特異性が低い事から造影剤を用いないMRIはほとんど行われません。造影剤としては、ガドリニウム化合物や超常磁性酸化鉄が用いられます。

 

磁気共鳴血管画像

磁気共鳴血管画像とは、血管内を動くプロトンのみを高信号に描写する手法で主に血管系の異常を見つける場合に利用されます。また、造影剤と併用する事により大動脈瘤の診断にも有効とされています。