結果表と症状から、次に何を確認する?
まず尿の見た目、痛み・発熱・排尿の状態、結果表の指示を確認してください。症状がなくても血尿が見つかることがあり、赤く見えないからと再検査を省くことはできません。
| 結果や症状 | 次の行動 | 伝える情報 |
|---|---|---|
| ±・1+以上、症状はない | 結果表の判定と再検査の期限を確認し、健診機関やかかりつけ医へ連絡します。尿沈渣による赤血球の確認が必要か相談してください。 | 今回と過去の結果、採尿日、月経・運動・発熱の有無 |
| 尿潜血と尿蛋白がともに陽性、腎機能も気になる | 尿蛋白の量、尿沈渣、クレアチニン・eGFRを合わせて医療機関で確認します。腎臓内科への相談が必要になることがあります。 | 尿蛋白・腎機能の値、血圧、むくみ、病歴 |
| 赤い・茶色い尿、血の塊がある | 痛みがなくても早めに医療機関へ連絡してください。1回で色が戻っても、その経過を伝えます。 | 色が変わった時期と回数、塊、痛み、尿の出方 |
| 尿が出ない、強い下腹部痛、発熱・悪寒と背中や脇腹の痛み | 速やかに受診してください。診療時間外なら救急外来を含めて相談し、健診結果や再検査の日を待たないでください。 | 症状が始まった時刻、最後に排尿できた時刻、服薬 |
尿が赤く見えても食べ物や薬による色の変化など、血液以外の原因があります。見た目だけで原因を決めず、尿検査で確認してください。
「尿潜血1+」と「尿に赤血球がある」は同じ?
尿潜血の試験紙は、赤血球に含まれるヘモグロビンなどに反応します。筋肉由来のミオグロビンや月経血の混入などでも反応するため、試験紙が陽性でも尿中の赤血球が確認されるとは限りません。
| 検査・表示 | わかること | 結果の受け止め方 |
|---|---|---|
| 尿潜血(試験紙)の−・±・1+・2+・3+ | 潜血反応の有無や強さ | 病気の進行度や原因の区分ではありません。試験紙の種類や採尿条件も影響します。 |
| 尿沈渣・尿中有形成分の検査 | 赤血球の数や形、白血球、円柱など | 血尿の確認や、腎臓・尿路のどこに問題があるかを考える手がかりになります。 |
| 尿蛋白 | 尿に出ているたんぱく質 | 潜血とともに陽性なら、蛋白量を詳しく測り腎臓の病気を確認することがあります。 |
| eGFR・クレアチニン | 腎臓のろ過機能 | 過去の値や尿検査と合わせて評価します。腎機能の値だけで尿路の病気を否定できません。 |
日本の「血尿診断ガイドライン2023」では、尿沈渣検査の赤血球が5個/HPF以上を顕微鏡的血尿の目安としています。HPFは顕微鏡の高倍率で見た1視野を表します。個/μLなど別の単位や測定法の結果を、1+や個/HPFへ自己判断で置き換えないでください。
結果表の基準範囲と判定は検査法・健診機関で異なります。±や1+だけで受診不要と決めず、尿沈渣や他の結果を含めて医師の説明を確認してください。
再採尿の前に確認することと、中間尿の取り方
予約時には「健診で尿潜血が陽性だった」と伝え、来院時に採るのか、自宅で早朝尿を採るのか、容器と提出方法を確認します。どの尿を使うかは検査目的によって異なるため、自己判断で採り置きしないでください。
- 月経: 月経血が混じると陽性になることがあります。月経中に採ったことを伝え、月経が終わってから再採尿する時期を確認してください。痛みや発熱などがあれば、月経が終わるまで受診を待たないでください。
- 運動・体調: 激しい運動、発熱、最近の尿路処置などを伝えます。運動を避ける期間や再検査日を予約先へ確認し、一時的な影響と決めつけないでください。
- 薬・サプリメント: 血液を固まりにくくする薬、市販薬、ビタミンCなどの使用を伝えます。薬の中止・変更は処方医へ確認してください。
- 採尿と提出: 指定の容器、採尿する時刻、必要量、提出までの保管方法を確認します。時間がたつと赤血球などが変化するため、指定どおり速やかに提出してください。
中間尿を指示された場合
- 手を洗い、指定された清潔な採尿容器を用意します。外陰部の清拭を指示された場合は、その方法に従います。
- 出始めの尿をトイレへ流し、途中の尿を容器に採ります。必要量は容器の目印や施設の案内に従ってください。
- 容器やふたの内側に触れないようにし、ふた付き容器ならしっかり閉めます。
- 氏名・採尿時刻など指定事項を記入し、施設の案内に沿って提出します。混入や採り方の間違いがあった場合は受付へ伝えてください。
再検査・精密検査の予約と持参物も確認できます。
泌尿器科と腎臓内科、どちらへ相談する?
泌尿器科は、腎臓から尿管、膀胱、尿道までの尿の通り道や前立腺の病気を調べる相談先です。赤い尿、血の塊、排尿時の痛み、結石の疑い、尿潜血が続く場合などは相談してください。年齢、喫煙歴、肉眼的血尿の経験も検査を選ぶ材料になります。
腎臓内科は、糸球体など腎臓そのものの病気を調べる相談先です。尿蛋白が重なる、クレアチニンが高い・eGFRが低い、むくみがある、尿沈渣で変形赤血球や円柱を指摘された場合などに紹介が検討されます。
迷う場合は結果表を持ってかかりつけ医や健診機関へ相談してください。両方の診療科で確認が必要なこともあり、尿蛋白が陰性だから泌尿器科の病気がない、とは判断できません。子どもの学校検尿は小児科へ、妊娠中は担当の産婦人科にも連絡してください。
超音波、CT、膀胱鏡、尿細胞診などは、症状とリスクに合わせて選ばれます。全員に同じ精密検査を行うわけではありません。検査を提案されたら、何を調べるか、準備、負担や注意点を確認しましょう。
健康診断後の診療科の選び方も参考になります。
受診に持参する結果と、伝える情報
今回の結果表だけでなく過去の尿検査・腎機能の結果、お薬手帳を持参してください。繰り返す陽性か、新しく出た反応か、採尿条件の違いを確認できます。
| 持参・確認する項目 | 記入する内容 | 具体的な伝え方 |
|---|---|---|
| 尿検査の推移 | 検査日、潜血、蛋白、尿沈渣の赤血球 | 「昨年は潜血−、今回は1+。尿蛋白は−で、尿沈渣の記載はありません」 |
| 採尿条件 | 月経、運動、発熱、採尿方法 | 「月経2日目に採尿しました」「採尿前日に長距離を走りました」 |
| 尿の色と症状 | いつから、回数、塊、痛み、発熱、尿の出方 | 「昨日1回赤く見え、今朝は戻りました。痛みはありません」 |
| 腎機能・血圧 | 今回と過去のクレアチニン・eGFR、血圧、むくみ | 値の載った結果表と、むくみが出た時期を持参します。 |
| 薬とサプリメント | 名前、開始時期、用量、市販薬・ビタミンを含む | お薬手帳に加え、市販品の名称や写真を見せます。 |
| 既往歴・家族歴・喫煙歴 | 結石、尿路処置、腎臓病、過去の血尿、喫煙した期間と量 | 治療や処置を受けた時期、家族の腎臓病などを伝えます。 |
たとえば「月経中の潜血1+・尿蛋白−・症状なし」と「月経とは無関係に潜血1+が続き、尿蛋白も陽性」では確認する背景が異なります。前者は再採尿の時期と方法を相談し、後者は尿蛋白の量や腎機能も合わせて確認します。どちらも1+だけで病名や受診不要を判断しないでください。
関連する病気・状態
次の病気や状態と関連することがあります。ただし、尿検査だけで診断はできません。
関連する検査項目
よくある質問
1+だけで、尿の色も痛みも変わらなければ再検査は不要ですか?
いいえ。肉眼でわからない血尿は無症状のことがあります。結果表の指示に沿って再検査・受診を相談し、尿沈渣で赤血球があるかを確認してください。追加検査やその後の経過観察は、尿蛋白・腎機能・病歴なども含めて医師が判断します。
血液を固まりにくくする薬が原因なら、詳しい検査は要りませんか?
薬の影響だけと決めることはできません。抗血小板薬・抗凝固薬を使っていても、他の人と同じように血尿の原因やリスクを評価します。薬の名称・用量を伝え、中止や変更は処方医へ相談してください。
関連記事
参考・出典
- 日本腎臓学会「腎臓検診でわかること」(参照日: 2026-10-12)
- 日本腎臓学会ほか「血尿診断ガイドライン2023」BQ1・3・6・10〜12(参照日: 2026-10-12)
- 日本泌尿器科学会「尿に血が混じる。血尿を指摘された」(参照日: 2026-10-12)
- 日本腎臓学会「検尿実施時の注意点」(参照日: 2026-10-12)
- MedlinePlus「Clean catch urine sample」(参照日: 2026-10-12)
- NIDDK「Hematuria (Blood in the Urine)」(参照日: 2026-10-12)
- NIDDK「Symptoms & Causes of Urinary Retention」(参照日: 2026-10-12)
- NIDDK「Symptoms & Causes of Kidney Infection」(参照日: 2026-10-12)
- NHS「Blood in urine」(参照日: 2026-10-12)
- MedlinePlus「How to Prepare for a Lab Test」(参照日: 2026-10-12)
- National Kidney Foundation「Urinalysis (urine test)」(参照日: 2026-10-12)
医療情報に関する注意
尿潜血の解釈や検査の選択は、年齢、症状、既往歴、服薬、採尿条件によって異なります。結果表の指示と医師の説明に沿って確認し、薬の中止・変更は処方医へ相談してください。