クレアチニン(CRE)の概要
クレアチニンは筋肉を使う過程で作られる老廃物で、主に腎臓でろ過され尿へ排泄されます。腎臓のろ過機能が低下すると血液中に残りやすくなり、数値が高くなることがあります。
一方で、クレアチニンは筋肉量が多い人では高め、筋肉量が少ない人や高齢者では低めに出ることがあります。数値の高低だけで判断せず、年齢、性別、体格、食事、運動、脱水、服薬状況、過去の検査値とあわせて見ます。
何を調べる検査か
腎機能の低下、脱水、筋肉量、薬剤の影響などを考える材料になります。クレアチニンだけでなく、年齢・性別を加味して算出されるeGFR、尿蛋白、尿潜血、BUN、必要に応じて尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)などとあわせて見ることが大切です。
クレアチニン・eGFR・尿検査の読み分け
| 項目 | 主に見ること | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| クレアチニン | 筋肉由来の老廃物が血液中にどの程度あるか | 筋肉量、肉類の摂取、激しい運動、脱水、薬剤の影響を受けることがあります。 |
| eGFR | 腎臓のろ過機能の推算値 | クレアチニン、年齢、性別などから算出されます。低い場合は尿検査や推移も確認します。 |
| BUN | 尿素窒素の量 | 腎機能だけでなく、脱水、たんぱく質摂取、消化管出血などでも変動することがあります。 |
| 尿蛋白・UACR | 腎臓から尿へ蛋白が漏れていないか | 尿の濃さに左右されるため、尿中クレアチニンと比べるUACRが使われることがあります。 |
| 尿潜血 | 尿に血液成分が混じっていないか | 尿蛋白と同時に陽性の場合は、腎臓や尿路の確認が重要になります。 |
| シスタチンC | 別の方法で腎機能を推定する血液検査 | 筋肉量の影響でクレアチニンが判断しにくい場合などに使われることがあります。 |
基準値・判定値の目安
| 基準範囲の例(男性) | 0.6〜1.2 mg/dL程度 |
|---|---|
| 基準範囲の例(女性) | 0.4〜0.9 mg/dL程度 |
| 単位 | mg/dL |
注意: 上の値は厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」の判定値をもとにした目安です。健診機関の基準範囲や医師の判断が優先されます。
高い場合に考えられること
- 腎機能低下、脱水、尿路の通過障害、心不全や糖尿病など腎臓に影響する状態と関連することがあります。
- 筋肉量の多さ、激しい運動、肉類の摂取、筋肉の損傷、妊娠中の一部の健康問題などで一時的に高くなることがあります。
- 腎臓に影響する薬剤やサプリメント、検査前の食事・運動条件が関係する場合もあります。服用中の薬は自己判断で中止せず、医療機関へ伝えましょう。
- クレアチニンが少し高いだけでも、eGFRでは腎機能低下がより分かりやすく示されることがあります。
- 尿蛋白、尿潜血、血圧、血糖、HbA1cもあわせて確認すると、腎臓への負担を整理しやすくなります。
低い場合に考えられること
低い場合は筋肉量が少ない、低栄養、長期の体調不良、加齢による筋肉量低下、肝機能の問題などと関連することがあります。クレアチニンが低いことだけで腎臓が良い状態とは判断できないため、体格や筋肉量、eGFR、必要に応じてシスタチンCなども含めて確認します。
薬剤・脱水・造影検査前に確認したいこと
腎機能の検査値は、脱水、発熱、下痢、食事、激しい運動、服用中の薬剤やサプリメントの影響を受けることがあります。健康診断の前後で普段と違う体調や服薬変更があった場合は、結果説明時に伝えると判断材料になります。
CT検査やMRI検査などで造影剤を使う可能性がある場合、腎機能の確認を求められることがあります。過去にクレアチニン高値、eGFR低値、腎臓病、糖尿病、高血圧がある人は、検査を受ける医療機関へ事前に相談してください。
関連する病気
次の病気や状態と関連することがあります。ただし、検査値だけで診断はできません。
関連する検査項目
生活習慣で見直したいこと
血圧、血糖、飲酒、塩分、脱水、喫煙、服薬状況を見直すきっかけになります。腎機能が気になる場合、自己判断で水分制限、たんぱく質制限、サプリメント追加を始めず、医療機関で相談してください。
医療機関に相談したいケース
- クレアチニンが基準範囲を超えている、または過去より上昇している
- eGFRが低い、尿蛋白や尿潜血が陽性だった
- 糖尿病、高血圧、心臓病、腎臓病の既往、腎臓病の家族歴がある
- むくみ、尿量の変化、泡立つ尿、血尿、息切れ、強いだるさ、吐き気、筋けいれんなどがある
- 造影検査を受ける予定があり、腎機能低下を指摘されたことがある
よくある質問
クレアチニンが高いとき何を確認しますか?
腎機能低下と関連することがありますが、筋肉量や脱水などの影響もあります。eGFRや尿検査とあわせて医療機関で確認しましょう。
クレアチニンとeGFRは何が違いますか?
クレアチニンは血液中の老廃物の値、eGFRはクレアチニン、年齢、性別などから腎臓のろ過機能を推算した値です。
クレアチニンが基準範囲内なら腎臓は問題ありませんか?
基準範囲内でも、早い段階の腎機能低下や尿蛋白などが見つかることがあります。eGFR、尿蛋白、尿潜血、過去の推移とあわせて確認してください。
検査前に薬やサプリメントをやめたほうがよいですか?
自己判断で中止しないでください。薬やサプリメントが検査値に影響することはあるため、服用中のものを医療機関や健診機関へ伝えることが大切です。
生活習慣を見直したい方へ
健康診断の結果をきっかけに、食事、睡眠、運動、飲酒などの生活習慣を整える情報も確認できます。
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参考・出典
- 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」(参照日: 2026-07-02)
- 厚生労働省「健診検査項目の保健指導判定値及び受診勧奨判定値」(参照日: 2026-07-02)
- 日本腎臓学会「腎臓検診でわかること」(参照日: 2026-07-02)
- MedlinePlus「Creatinine Test」(参照日: 2026-07-02)
- National Kidney Foundation「Estimated GFR (eGFR) Test」(参照日: 2026-07-02)
医療情報に関する注意
このページは、健康診断や血液検査に関する一般的な情報です。診断、治療、服薬変更、受診不要の判断を行うものではありません。検査値の解釈は、検査機関、測定方法、年齢、性別、既往歴、服薬状況、症状などによって異なります。気になる結果がある場合は医療機関へ相談してください。