所見名を読むときの基本

画像検査は、体の中の形や影、臓器の大きさ、液体のたまり、石灰化、血流や代謝の分布などを確認する検査です。画像所見は医療機関で原因を確認するための手がかりであり、所見名だけで病名や治療の必要性は決められません。

結果表では、同じ所見でも「疑い」「要経過観察」「要再検査」「要精密検査」など判定が分かれることがあります。判定は、検査機関の基準、過去画像、症状、年齢、性別、既往歴などで変わります。

確認: 画像データや過去画像がある場合は、受診時に持参できるか確認しましょう。比較できる情報があると、変化の有無を確認しやすくなります。

画像所見の用語一覧

所見名結果表での意味の例確認したいページ
異常陰影・結節影胸部X線などで通常と異なる影や丸い影が見える所見です。撮影条件、過去画像、CTなどで確認することがあります。胸部X線の異常陰影・結節影CT検査
肺門部異常肺の入口付近にある血管、気管支、リンパ節などの見え方に関する所見です。過去画像、症状、CTなどで確認することがあります。胸部X線の肺門部異常肺・気管支の病気
肺門部腫大・肺門影拡大肺門部周辺の影が大きく、または目立って見える所見です。リンパ節、血管、縦隔周辺、撮影条件などを過去画像やCTとあわせて確認することがあります。胸部X線の肺門部腫大肺門部異常
縦隔拡大左右の肺の間にある中央の陰影が広く見える所見です。撮影条件、大動脈、心臓周辺、リンパ節、縦隔の腫瘤などを過去画像やCTとあわせて確認します。胸部X線の縦隔拡大CT検査
気管偏位胸部X線で気管が左右どちらかへずれて見える所見です。撮影条件、甲状腺、縦隔、肺の容量変化、胸水・気胸などをあわせて確認します。胸部X線の気管偏位頸部超音波検査
陳旧性変化古い炎症や感染、胸膜の変化などの跡として見える所見です。過去画像、症状、CT、結核や肺炎の既往などとあわせて確認します。胸部X線の陳旧性変化肺結核
線状影・索状影・板状影胸部X線で細長い線のような影が見える所見です。陳旧性変化、無気肺、線維化、胸膜変化、撮影条件などとあわせて確認します。胸部X線の線状影CT検査
索状影・板状影ひも状、帯状、板状に見える影を表すことがあります。板状無気肺、陳旧性変化、胸膜変化、撮影条件などを過去画像やCTとあわせて確認することがあります。胸部X線の索状影・板状影線状影
肺野透過性低下・肺野濃度上昇胸部X線で肺が通常より白っぽく、空気の抜けが悪いように見える所見です。肺炎、無気肺、間質性陰影、胸水、撮影条件などとあわせて確認します。胸部X線の肺野透過性低下胸部X線の肺野濃度上昇CT検査
すりガラス影・すりガラス陰影胸部X線やCTで肺の一部が淡く白っぽく見える所見です。炎症、間質性陰影、肺結節、撮影条件などを、過去画像やCTとあわせて確認します。胸部X線・CTのすりガラス影疑い肺野透過性低下CT検査
結節性すりガラス影・すりガラス結節胸部CTで淡い結節状の影として記載されることがあります。大きさ、充実成分、過去画像からの変化、喫煙歴、症状などをあわせて確認します。胸部CTの結節性すりガラス影すりガラス影疑い結節影
浸潤影・浸潤影疑い胸部X線で肺の一部が白っぽく見える所見です。肺炎などの炎症と関連することがありますが、無気肺、胸水、撮影条件などもあわせて確認します。胸部X線の浸潤影肺野透過性低下
気管支壁肥厚・気管支周囲肥厚気管支の壁や周囲が厚く、目立って見える所見です。咳、痰、喘鳴、喫煙歴、気管支炎、喘息、COPD、気管支拡張症などとあわせて確認します。胸部X線・CTの気管支壁肥厚CT検査肺・気管支の病気
気管支陰影増強・肺紋理増強胸部X線で気管支やその周囲の影が目立って見える所見です。気管支壁肥厚、咳、痰、喘鳴、喫煙歴、撮影条件などとあわせて確認します。胸部X線の気管支陰影増強気管支壁肥厚CT検査
気管支拡張疑い気管支が通常より広がって見える可能性を示す所見です。痰が多い、感染を繰り返す、血痰、過去の肺炎や結核、CTなどとあわせて確認します。胸部X線・CTの気管支拡張疑い気管支拡張症CT検査
心拡大疑い胸部X線で心臓の影が大きく見える所見です。撮影条件の影響もあるため、心電図、BNP、症状などとあわせて確認します。胸部X線の心拡大疑いBNP
血管影増強・肺血管陰影増強胸部X線で肺の血管影や肺紋理が目立って見える所見です。肺うっ血、心拡大、胸水、撮影条件、症状、BNPなどをあわせて確認します。胸部X線の血管影増強心拡大疑いBNP
血管影不明瞭・肺血管影不明瞭胸部X線で肺血管の輪郭が追いにくい、または周囲の影と重なって見える所見です。肺うっ血、胸水、心拡大、肺野濃度上昇、撮影条件、BNPなどをあわせて確認します。胸部X線の血管影不明瞭血管影増強胸水
肺血管影の左右差胸部X線で左右の肺血管や肺門部血管の見え方に差がある所見です。肺高血圧、肺塞栓、心臓・肺疾患、胸水、気胸、撮影条件などをあわせて確認します。胸部X線の肺血管影の左右差血管影増強CT検査
肺動脈拡大疑い・肺高血圧疑い胸部X線で肺動脈や肺門部血管が拡大して見える可能性を示す所見です。肺高血圧、右心負荷、心臓・肺疾患、肺塞栓、撮影条件などをあわせて確認します。胸部X線の肺動脈拡大疑い肺血管影の左右差BNP
大動脈石灰化胸部X線で大動脈の壁に石灰化した影が見える所見です。血圧、脂質、血糖、喫煙歴などとあわせて確認します。胸部X線の大動脈石灰化血圧
大動脈蛇行胸部X線で大動脈の走行や形が曲がって見える所見です。血圧、脂質、血糖、過去画像、必要に応じたCTなどとあわせて確認します。胸部X線の大動脈蛇行大動脈石灰化
胸膜肥厚肺の表面や胸壁側の膜が厚く見える所見です。過去炎症、胸水、石綿曝露歴、CTなどとあわせて確認します。胸部X線の胸膜肥厚胸膜炎
胸膜癒着胸膜周辺の引きつれや過去炎症後の変化として見えることがある所見です。胸膜肥厚、胸水、陳旧性変化、CTなどとあわせて確認します。胸部X線の胸膜癒着胸膜肥厚
胸水肺の周囲に液体がたまって見える所見です。左右差、量、胸膜炎、心不全、炎症反応、BNP、CTなどとあわせて確認します。胸部X線の胸水心不全
肋骨横隔膜角鈍化胸部X線で肺の下端と横隔膜・胸壁がつくる角が丸く見える所見です。胸水、胸膜肥厚、過去炎症後の変化、撮影条件などとあわせて確認します。胸部X線の肋骨横隔膜角鈍化胸水
無気肺肺の一部または広い範囲が十分にふくらまず、容量が減って見える所見です。部位、過去画像、CT、肺炎、気道閉塞、胸水、気胸などとあわせて確認します。胸部X線の無気肺肺炎
肺野透過性亢進胸部X線で肺が通常より黒っぽく、X線が通りやすいように見える所見です。肺過膨張、肺気腫、COPD、気胸、撮影条件などとあわせて確認します。胸部X線の肺野透過性亢進肺過膨張自然気胸
肺過膨張肺に空気が残りやすく、胸部X線で肺が大きくふくらんで見える所見です。COPD、肺気腫、喘息、喫煙歴、呼吸機能検査などとあわせて確認します。胸部X線の肺過膨張肺気腫・COPD
肺線維化疑い・間質性陰影肺に線状・網状の影や硬くなったような変化が疑われる所見です。過去画像、CT、呼吸機能検査、間質性肺炎、喫煙歴、職業・環境曝露などとあわせて確認します。胸部X線の網状影・間質性陰影肺線維化疑い間質性肺炎・肺線維症
横隔膜挙上・横隔膜高位胸部X線で横隔膜の位置が高く見える所見です。撮影条件、肺の容量、無気肺、胸水、腹部の状態、横隔膜の動きなどとあわせて確認します。胸部X線の横隔膜挙上無気肺
肺尖部胸膜肥厚肺の上端付近の胸膜が厚く見える所見です。過去炎症、結核既往、胸膜癒着、過去画像、症状などとあわせて確認します。胸部X線の肺尖部胸膜肥厚陳旧性変化
腫瘤・腫瘤疑いかたまり状に見える所見です。良性・悪性は所見名だけでは判断できず、部位に応じて追加画像や専門科で確認します。肝腫瘤疑い乳腺腫瘤疑い
のう胞液体を含む袋状の所見です。単純なのう胞として扱われる場合もありますが、複雑な所見や変化がある場合は追加確認されます。肝のう胞腎のう胞卵巣のう胞
壁肥厚・膜の肥厚胆のう、膀胱、胸膜などが厚く見える所見です。炎症、収縮状態、尿のたまり具合、胸水、過去炎症など複数の影響を確認します。胸膜肥厚膀胱壁肥厚胆のうポリープ
拡張胆管、膵管、尿路、大動脈などが広く見える所見です。流れの妨げ、閉塞、圧迫、血管径などを確認します。胆管拡張膵管拡張腹部大動脈瘤疑い
石・結石・胆石胆のう、腎臓、尿路などに石のような所見が見える場合があります。痛み、炎症、尿や胆汁の流れを確認します。胆石腎結石
脂肪肝肝臓に脂肪がたまっている可能性を示す所見です。肝機能、脂質、血糖、BMI、飲酒などをあわせて確認します。脂肪肝を指摘されたらメタボ対策
腹水腹部に液体がたまっている所見です。肝機能、アルブミン、腎機能、心不全、炎症などをあわせて確認することがあります。腹水を指摘されたら
リンパ節腫大リンパ節が大きく見える所見です。感染、炎症、自己免疫、血液疾患、腫瘍性疾患など複数の背景を確認します。リンパ節腫大頸部リンパ節
BI-RADS乳房画像検査の所見を分類し、追加画像や経過観察などの方針を伝えるための区分です。診断そのものではありません。BI-RADSの読み方
集積PETなどで放射性医薬品が集まって見える所見です。炎症などでも見られることがあり、画像だけで診断は確定しません。PET検査画像所見と腫瘍マーカー
石灰化・石灰化影カルシウム沈着などにより白く見える所見です。肺野、胸膜、血管、乳房など、部位、形、分布により確認方法が変わります。胸部X線の石灰化影大動脈石灰化乳房画像検査CT検査

相談先と追加検査の考え方

相談先は、所見の部位と結果表の案内で変わります。胸部なら呼吸器内科、肝胆膵なら消化器内科、尿路や前立腺なら泌尿器科、卵巣や子宮周辺なら婦人科、乳房なら乳腺外科などが候補になることがあります。

精密検査や通院のお金も確認したい方へ

画像所見の追加確認では、CT、MRI、PET、内視鏡、専門科受診などにつながることがあります。医療費、保険、制度の基本もあわせて確認しておくと、受診準備を進めやすくなります。

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よくある質問

「疑い」と書かれている場合は何を確認しますか?

診断が確定したという意味ではありません。画像の見え方から追加確認が必要な可能性を示していることがあるため、結果表の指示、過去画像、症状、追加検査の案内を確認します。

所見名があっても経過観察になることはありますか?

あります。ただし、経過観察の時期や方法は所見の種類、部位、大きさ、過去からの変化、症状で異なります。自己判断せず、結果表や医療機関の説明を確認してください。

画像データは持参したほうがよいですか?

紹介先で過去画像との比較が必要になることがあります。画像データ、読影レポート、過去の健診結果を持参できるか、健診機関や受診先に確認しましょう。

参考・出典

医療情報に関する注意

このページは、画像検査の所見名を理解するための一般的な情報です。診断、治療、検査の要否、受診不要の判断を代替するものではありません。結果表に要再検査・要精密検査・医療機関受診の案内がある場合、または気になる症状がある場合は、医療機関や健診機関に相談してください。