病気ガイド・健診後の受診

大腸がんと便潜血陽性|1回だけ陽性のときの精密検査・受診準備

大腸がんは結腸や直腸にできるがんです。健診の便潜血検査で陽性となっても、それだけで大腸がんと決まるわけではありません。結果をそのままにせず、出血の原因を調べる精密検査につなげることが大切です。結果票を見ながら、受診の準備を整理しましょう。

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便潜血検査の結果表と、精密検査の相談を表す卓上カレンダーとスマートフォンのイメージ
結果票を持参して、精密検査を受ける医療機関へ相談しましょう。検査日と必要な準備は、予約先の案内で確認してください。

このページの要点

  • 2日法の便潜血検査では、1日分だけ陽性でも精密検査が必要です。
  • 再び検便をして陰性になっても、精密検査の代わりにはなりません。
  • 症状の有無や痔だけで原因は判断できません。結果票と薬の情報を用意して受診先へ連絡します。

便潜血が1回だけ陽性だったら

便潜血検査は、便に混じる微量の血液を調べます。出血は毎日同じように起きるとは限らないため、2日分のうち片方が陰性でも、陽性の結果を取り消せません。国立がん研究センターと日本消化器内視鏡学会は、1回でも陽性となった場合に精密検査を受けるよう案内しています。

結果・状況判断できないこと次の行動
1日目は陽性、2日目は陰性陰性の日があることだけでは、病変がないとはいえません。陽性の結果票を持ち、精密検査の受診先に相談します。
痔があり、出血に心当たりがある便潜血だけでは、痔からの出血か、大腸の病変からの出血か区別できません。痔の状態も伝え、自己判断で精密検査をやめません。
自覚症状がない早期の大腸がんでは症状が目立たないことがあります。症状が出るまで待たず、結果票の案内に沿って受診します。

「検便をもう一度行って陰性なら終わりにする」という方法は、出血の原因を調べる精密検査とは目的が違います。すでに再検便をしていても、最初の陽性結果と再検便の結果を両方伝えましょう。

最近、大腸内視鏡で異常なしと言われた方: その後に便潜血が陽性となった場合の再度の内視鏡検査について、国立がん研究センターは国として一律の方針が決まっていないと説明しています。検査日と結果を用意して、前回の担当医に今回の陽性結果を相談してください。自分で「検査不要」と決めるための例外ではありません。

受診先への連絡と、持参する情報

  1. 結果票の受診案内を確認: 紹介状の有無、指定された窓口、精密検査の案内を読みます。受診先が分からなければ健診機関へ確認し、診療科の選び方も参考にします。
  2. 消化器内科・胃腸科などへ連絡: 「便潜血が陽性で要精密検査と言われた」と伝え、まず診察を予約するのか、内視鏡の予約や事前説明が別にあるのかを確認します。
  3. 結果と薬の情報をそろえる: 以下のメモとお薬手帳、紹介状、過去の内視鏡検査結果があれば用意します。薬は自己判断で中止せず、受診先の指示を確認します。
整理する項目自分のメモに書く内容
便潜血の結果健診日、採便日、1日目・2日目の結果、結果票の判定と案内
便や体調の変化血便、便秘・下痢、腹痛、便が細いなどの変化があるか、いつからか
過去の検査内視鏡を受けた日、検査した施設、結果、ポリープ切除や生検の有無
薬・持病・アレルギー現在の薬名が分かるお薬手帳、治療中の病気、麻酔などのアレルギー

電話で伝える例: 「健診の便潜血検査で、2日分のうち1日が陽性でした。結果票に要精密検査と書かれています。受診の予約方法と、紹介状や持参する資料を教えてください」。症状や過去の内視鏡検査があれば続けて伝えます。

結果票の「再検査」と「精密検査」の意味を整理したい方は、再検査・精密検査の受け方も確認できます。

精密検査で分かることと、予約時に聞くこと

大腸がん検診の精密検査では、通常、全大腸内視鏡検査が最初に行われます。大腸の粘膜を観察し、必要に応じて組織を採って調べます。ポリープが見つかったときの切除の可否も、状態や施設の対応によって異なります。内視鏡で全体を観察するのが難しい場合などは、医師が別の検査や併用を検討します。

内視鏡の前には腸をきれいにする準備が必要です。通常の健診前日の準備とは同じではないので、食事・下剤・当日の薬は予約先の説明書に従ってください。出血や穿孔(腸に穴が開くこと)などの偶発症についても説明を受けます。

  • 前日の食事制限と、下剤を使う場所・時間・方法はどうするか
  • 服用中の薬を続けるか調整するか。特に血液を固まりにくくする薬はどうするか
  • 鎮静薬を使うか、検査後の休憩や帰宅方法はどうするか
  • ポリープが見つかった場合の対応、結果説明の方法と時期はどうなるか

静脈麻酔・鎮静薬を使う場合は、検査当日の自動車やバイクの運転ができません。帰りの移動も事前に相談しましょう。薬を使っても必ず無痛になるとは限らず、使用の可否も個別に確認します。

日本消化器内視鏡学会「大腸内視鏡検査の受け方について」

予約時の持病・薬の申告、前処置、検査後の運転や食事の注意を確認できます。実際の準備は受診する施設の指示に従います。

便潜血が陰性でも、症状がある場合は受診へ

大腸がんでは、血便、便秘や下痢、便が細くなる、便が残る感じ、腹部の張り、出血による貧血などが起こることがあります。一方、これらはほかの病気でもみられるため、症状から病名を決めることはできません。

血便、腹痛、便の性状や排便回数の変化がある場合は、便潜血が陰性だったとしても次回の検診を待たず、医療機関に相談してください。症状があるときの診療と、無症状の人を対象とする検診を区別します。

大腸がんの背景と、診断後の治療

大腸がんには腺腫という良性の腫瘍から生じるものと、正常な粘膜から直接生じるものがあります。炎症性腸疾患や遺伝性の疾患が関係する場合もあります。家族の病歴や、自分が以前ポリープを切除したことがあれば診察で伝えましょう。

がんと診断された場合の治療は、進行度、がんの性質、体の状態などに応じて検討されます。内視鏡治療、手術、薬物療法などがあり、直腸がんでは放射線治療を行う場合もあります。健診結果だけで治療内容を決めることはできません。

よくある質問

CEAが正常なら、便潜血陽性の精密検査はやめてもよいですか?

CEAなどの腫瘍マーカーは、値だけでがんの有無を判断できません。便潜血陽性の精密検査を、別の血液検査の値で取り消さず、結果票を持って受診先に相談してください。

参考・出典

医療情報に関する注意

この記事は健診後の相談準備に役立つ一般情報です。検査方法や準備、薬の扱いは、持病・服薬・過去の検査結果などに応じて受診先が判断します。大腸の病気で治療中の方は、担当医の検査計画を確認してください。

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