CKとCPKは同じ?何を調べる検査?

CKはクレアチンキナーゼ、CPKはクレアチンホスホキナーゼの略で、同じ酵素を指します。筋肉がエネルギーを使う働きに関わり、主に骨格筋に多く、心筋や脳にもあります。筋肉などの細胞が傷つくと、血液中のCKが増えることがあります。

激しい運動やけがのほか、筋炎、筋ジストロフィー、一部の薬なども高値の原因になります。CKだけで、傷ついた場所や原因を特定することはできません。

CKの基準範囲は男女や筋肉量で異なる

CKの基準範囲は検査施設や測定方法、年齢、性別、筋肉量、活動量などで異なります。倉敷中央病院が公表するJSCC法の範囲は次のとおりです。まずは自分の結果表に印字された範囲で確認してください。

区分CKの基準範囲の施設例確認する条件
男性59〜248 U/L倉敷中央病院・JSCC法。小児や治療中の評価には、そのまま当てはめない
女性41〜153 U/L

たとえばCKが300 U/Lの場合、上限248 U/Lに対しては約1.2倍、上限153 U/Lに対しては約2倍です。同じ数値でも、比較する範囲によって超過の程度が変わります。ただし、何倍かだけで病名や救急受診の要否は決まりません。

「H」は上限を超えた印で、健診全体の「要再検査」「要精密検査」などの判定とは役割が異なります。値が少し外れただけに見えても、結果表に受診指示があれば従ってください。

筋肉痛・脱力・尿の変化があるときは待たない

普段の運動後より明らかに強い筋肉痛、力が入らない、茶色〜赤褐色の尿、尿量の明らかな減少がある場合は、予定の再検査を待たず、速やかに医療機関を受診してください。症状がすべてそろうまで待つ必要はありません。

筋肉が大きく壊れる横紋筋融解症では、筋肉の成分であるミオグロビンが血液へ流れ出て、急性腎不全などにつながることがあります。薬だけでなく、激しい運動、けが、暑い環境での作業なども関係します。症状だけでは脱水などとの区別もできないため、診察と検査が必要です。

服薬中に筋肉の症状や尿の変化が出た場合は、薬の名前と、飲み始めてからの期間を伝え、直ちに医師・薬剤師へ連絡してください。

突然の強い胸痛、急な呼吸困難、意識の異常がある場合は119番へ。CKの結果が出るのを待たないでください。

運動後のCK高値と、再検査で伝える記録

CKは採血直前の運動だけでなく、その前の激しい運動や筋肉内注射などでも上がります。筋肉が傷ついた直後にはまだ上昇せず、遅れて高くなる場合もあります。「採血当日は運動していない」だけでは、影響を除けません。

確認すること伝える内容具体的な書き方
運動・体を使う仕事日付、種類、時間、普段との違い採血前日19時から筋トレ60分。普段より重い負荷
採血との間隔運動終了と採血の日時筋トレ終了20時、翌朝9時に採血
筋肉の症状・体調痛む場所、脱力、尿の変化、けが、発熱など翌朝から両太ももに痛み。力が入るか、尿の色・量に変化があるか
薬・注射名前、使用量、開始・変更日、筋肉内注射の有無お薬手帳を持参。市販薬やサプリメントも伝える

再検査では、強い運動や飲酒を数日控えるよう指示されることがあります。何日控えるか、いつ採血するかは、値や症状に応じて受診先へ確認しましょう。症状があるのに「運動を休んでから」と受診を先延ばしにしないでください。

運動を控えて再検査しても高値が続く場合や、筋力低下が進む場合は、運動以外の原因も調べます。前回と今回の結果表を持参し、再検査・精密検査の案内に沿って受診してください。

CKと一緒に確認する検査・症状

追加検査は、筋肉、腎臓、心臓など、疑われる原因や合併症によって変わります。すべての項目を全員が受けるわけではありません。

確認する状態関連する検査見るポイント
筋肉への負担・障害CKの推移、ミオグロビンなど運動や薬との時間関係、筋肉痛・脱力、値が上昇中か低下中か
腎臓や電解質への影響クレアチニン、カリウム、尿検査など尿の色・量、腎機能と血液中の電解質。CKの値だけで腎臓の状態は決まらない
胸痛など心臓の異常トロポニン、心電図、必要に応じたCK-MBなど痛みの始まった時間や症状。総CKだけで心筋梗塞を判断・否定しない

心筋梗塞が疑われる場面では、現在はCKよりトロポニンがよく使われます。ただし、トロポニンも採血の時期などを考慮して評価するため、結果を自分で判断して受診を中止しないでください。

ASTやLDHなどにも変化があれば、今回のCKと一緒に医師へ見せましょう。息切れなどで調べるBNP・NT-proBNP、LDHの型を調べるLDHアイソザイムは、CKとは異なる項目です。

薬を飲んでいる場合・症状がない場合の相談

コレステロールを下げるスタチンなど、一部の薬が筋肉の障害と関係することがあります。一方、服薬中でも高値の原因が薬とは限りません。CKの数値だけで薬を中止・減量せず、運動、症状、薬を始めた日や変更した日を処方医に伝えてください。筋肉痛・脱力・尿の変化があれば、次回予約まで待たずに連絡します。

症状がなく初めて指摘された場合は、結果表の指示に沿って、健診先や内科で再検査の時期を相談しましょう。過去のCK、基準範囲、運動の記録、お薬手帳を持参すると、今回だけの上昇か、以前から続く変化かを確認できます。

「L」など低値の表示がある場合も、年齢や筋肉量、以前の結果などを合わせて確認します。数値を上げる目的で筋トレやサプリメントを始めず、体調や筋力の変化があれば医師に伝えてください。

CKについてよくある質問

CKとクレアチニンは同じ検査ですか?

別の検査です。CK(CPK)は筋肉などにある酵素の活性を調べます。クレアチニン(Cr、CRE)は筋肉の代謝でできる老廃物で、腎臓の働きを調べる材料になります。名前が似ていますが、単位も意味も異なります。筋肉の障害が疑われる場合は、両方を調べることがあります。

CKが下がれば、強い運動を再開してもよいですか?

数値だけでは再開時期は決まりません。痛みや脱力が残っていないか、腎機能への影響はないか、何が原因だったかも確認が必要です。横紋筋融解症などで治療を受けた場合は、担当医に再開する時期と運動の強さを確認してください。

参考・出典

CKの評価や診断、治療・服薬の判断は、症状、病歴、活動や薬の影響、ほかの検査を踏まえて医師が行います。受診や治療中の検査の指示は、担当医の案内に従ってください。