急な呼吸困難や意識の異常は119番
急に息が苦しい、強い胸の痛み・圧迫感がある、返事がない・意識がもうろうとしている場合は119番です。カリウムの再検査や次の健診を待たずに対応してください。
動悸、脈の乱れ、強い脱力、手足が動かしにくいなどの症状がある場合も、速やかに医療機関へ連絡してください。医療機関から緊急受診の連絡があった場合は、自覚症状がなくても指示に従います。
基準範囲は結果表の単位と一緒に確認する
血液中のカリウムは腎臓から尿へ出る量などで調整されています。検査は血中の濃度を調べるもので、食べたカリウムの量や体全体の蓄えをそのまま示すものではありません。基準範囲は検査機関や測定条件によって異なります。
| 施設・資料 | 基準範囲 | 単位 |
|---|---|---|
| 京都大学医学部附属病院検査部 | 3.6~4.8 | mmol/L |
| 順天堂大学医学部附属順天堂医院・臨床検査部 | 3.5~5.0 | mmol/L |
たとえば4.9 mmol/Lは、上の京都大学病院の範囲では上限を超え、順天堂医院の範囲では範囲内です。他施設の範囲で自分の判定を取り消さず、検査を受けた施設の結果と説明を確認してください。
カリウムでは4.8 mEq/Lと4.8 mmol/Lは同じ濃度です。一方、食品の成分表示にあるmgや、尿検査の値は意味や単位が異なるため、血液の基準範囲と直接比べません。
高い・低い原因は、腎機能と薬、体調から調べる
カリウムが外れる理由は一つとは限りません。前回からの変化、症状、腎機能、血糖、ほかの電解質や心電図を合わせて確認します。
| 結果 | 関係することがあるもの | 受診時に伝えること |
|---|---|---|
| 高い | 腎臓からの排泄の低下、薬・カリウム製剤・サプリ、血糖やホルモンの異常など | 腎機能の結果、薬の開始・変更、使っている製品、溶血のコメント |
| 低い | 嘔吐・下痢による喪失、一部の利尿薬、甘草を含む漢方薬、下剤の使いすぎ、ホルモンの異常など | 嘔吐・下痢の回数と期間、食事量、薬・漢方薬・市販薬の名前と使用期間 |
腎機能はクレアチニン・eGFR・BUNなどで調べます。腎不全や心不全の治療中は、現在の薬と過去の結果も持参してください。利尿薬にはカリウムを下げるものと、上げることがあるものがあり、薬の名前を確かめることが必要です。
低カリウムと高血圧がある場合などには、原発性アルドステロン症などを調べることもあります。副腎腫瘤の指摘があれば伝えますが、低値だけでホルモンの病気と決まるわけではありません。
「溶血」のコメントがある高値はどう確認する?
採血した血液の赤血球が壊れると、細胞内のカリウムが漏れ、測定値が高く出ることがあります。結果表の「溶血」「参考値」などのコメントは、再採血の必要性を考える手がかりです。
ただし、コメントだけで高値をすべて採血の影響と決めつけることはできません。医療機関で症状、腎機能、薬、心電図などと合わせ、必要に応じて再採血します。白血球や血小板が著しく多い場合にも、採取した血液の種類によって見かけの高値になることがあります。
採血前や採血中に、手を何度も強く握ったり開いたりすると、カリウム値に影響することがあります。手の動かし方は採血担当者の案内に従ってください。
薬・漢方薬・減塩用の塩も確認する
処方薬だけでなく、市販薬、漢方薬、サプリメントも医師・薬剤師へ伝えてください。甘草を含む漢方薬などは低カリウムに関係することがあり、使用後すぐだけでなく、長く使った後に起こる場合もあります。
薬を使い始めてから手足のだるさ・こわばり、力が抜ける感じ、筋肉痛などが出た場合は、薬の名前と使い始めた時期を伝え、速やかに相談してください。原因や調整の要否は検査と合わせて判断します。
腎機能が低下している人や心不全の治療中の人では、食品・飲料の量も確認します。カリウムが高いからと野菜や果物をすべて除いたり、低いからとサプリを大量に使ったりせず、自分に必要な調整を医師・管理栄養士に聞いてください。
食塩の代わりにカリウムを使う減塩用の塩や加工食品もあります。腎臓病などでカリウムの管理が必要な人は、原材料の「塩化カリウム」などを確認し、使いたい製品の表示と量を相談します。血中カリウムを下げるために水を大量に飲むなど、水分量も自己判断で大きく変えないでください。
再検査までに準備する情報
健診で異常を指摘されたら、検査を受けた施設やかかりつけ医に、再検査の時期と受診先を確認してください。腎機能や薬の影響がある場合には、内科・腎臓内科などで原因を調べます。
| 項目 | 具体的に確認すること |
|---|---|
| 今回と過去の結果 | 検査日、Kの値・単位・基準範囲、溶血コメント、腎機能、心電図所見 |
| 薬・市販薬・サプリ | 名前、使用量、開始・変更時期。お薬手帳と、製品の容器や表示の写真 |
| 体調・食事 | 動悸や脱力が始まった日、嘔吐・下痢の回数、食事量の変化、減塩用の塩や補助食品 |
K単独の採血では通常特別な準備を要しませんが、血糖などほかの検査を同時に行う場合は食事の条件が付くことがあります。絶食や朝の薬の扱いは、受診先の指示を確認してください。
カリウムの再検査と食品の疑問
溶血のコメントがあるときは、何を確認しますか?
検査を受けた医療機関に、再採血が必要か、いつ受けるかを確認します。結果表全体と過去の値、症状、薬を伝えてください。動悸や強い脱力などがあれば、予定日を待たずに連絡します。
減塩用の塩なら、カリウムが高くても使えますか?
製品によって成分が異なり、塩化カリウムを使うものもあります。腎機能や薬の影響でカリウムが上がりやすい人は、表示と使用量を医師・管理栄養士へ見せ、使える製品を確認してください。
参考・出典
情報の確認日:2026-10-26。基準範囲は各施設の公開例です。
- 京都大学医学部附属病院検査部「カリウム(K)」:基準範囲、検査材料と見かけの高値。
- 順天堂医院「臨床検査値の基準範囲」:カリウムの施設基準。
- 京都大学病院「共用基準範囲」採用のお知らせ(PDF):Kの新旧の単位表記。
- 米国国立医学図書館・MedlinePlus「Potassium Blood Test」(英語):検査の目的、原因、採血前の確認。
- 広島市医師会臨床検査センター「よくある質問」:溶血によるカリウムの見かけの高値。
- 日本心不全学会「心不全手帳」第4版・患者教育用冊子(PDF):心不全治療中の薬・腎機能とカリウムの注意(2026年10月23日公開)。
- 米国NIDDK「慢性腎臓病の成人の食事」(英語):カリウムを使う減塩塩や食事の個別調整。
- 消防庁「救急車利用マニュアル」(PDF):成人の緊急症状。
検査と治療の相談
カリウムの異常の原因や対応は、症状、腎機能、心電図、薬、検査条件などを合わせて医師が判断します。再検査や受診を指示された場合は、医療機関の案内に沿って相談してください。
