反応がおかしい・けいれんがあるときは119番

呼びかけても反応が乏しい、意識がなくなる、けいれんが止まらない、急に息苦しくなるなどの症状は、Na値にかかわらず119番で救急車を呼んでください。

頭痛や吐き気、強いだるさが新たに出た、嘔吐・下痢が続いて水分がとれない、尿が極端に少ない場合は、速やかに医療機関へ連絡します。症状がなくても、検査施設から至急の受診を求められた場合はその案内に従ってください。

血液のNa値と食事の塩分はどう違う?

ナトリウムは、体液の量や神経・筋肉の働きに関わる電解質です。主に食事から入り、腎臓が尿への排泄量を調整します。血液のNa値は、ナトリウムの量だけでなく、その周りの水分量でも変わります。

低Naには、水分が体内にたまる場合と、嘔吐・下痢などで水分とナトリウムを失う場合があります。むくみがある人と水分を失っている人では、必要な対応が違います。Naの数値だけから、塩分を増やす量や飲む水の量を決めることはできません。

基準範囲は結果表の数値・単位と照らし合わせる

血液のNaの基準範囲は検査施設により異なります。国内の大学病院が公開している範囲には、次の違いがあります。

検査施設の公開例Naの基準範囲単位
京都大学医学部附属病院138~145mmol/L
順天堂医院135~145mmol/L

たとえばNaが137 mmol/Lなら、135~145の範囲には入り、138~145の範囲からは外れます。範囲内外の表示だけで病名や治療が決まるわけではなく、症状や前回値、ほかの検査結果も必要です。

Naは1価のイオンなので、Naについては137 mEq/Lと137 mmol/Lは同じ濃度です。食品表示のナトリウム「mg」や食塩相当量「g」、尿中Naの結果は別の指標です。血液のNa値を食塩のグラム数へ読み替えないでください。

低い・高いときに確認する体調と背景

結果と背景関係することがある状態受診時に伝える情報
低値・嘔吐や下痢があった体から水分とナトリウムを失った影響、利尿薬などいつから、何回ほど続いたか。食事・飲み物がどれくらいとれたか
低値・むくみや体重増加がある心不全、腎臓や肝臓の病気などによる水分の貯留体重の推移、尿量の変化、息切れ、治療中の病気と水分の指示
低値・薬やホルモンの影響が疑われる一部の利尿薬・抗うつ薬、水分を保つホルモンの異常、副腎・甲状腺の病気など薬の名称・量・開始日・変更日。普段の飲水量や食欲の変化
高値・口の渇きや水分不足がある飲水不足、発汗・下痢などによる水分の喪失、尿崩症など水を飲みにくい事情、尿の量や回数、発汗・下痢、薬の使用

これらの背景は重なることもあります。高い血糖値がNaの結果に影響する場合もあるため、Naだけで原因を決めず、血糖、クレアチニン、eGFR、BUNや他の電解質を合わせて確認します。必要に応じて、尿のNaや血液・尿の浸透圧、ホルモンの検査が追加されます。

塩分・水分・薬は、何を確認してから変える?

「低いから塩を多くとる」「高いから一度に大量の水を飲む」「水を減らす」と自己判断で調整する前に、検査を受けた医療機関へ連絡してください。低Naでも水分を補う治療と制限する治療があり、原因や症状によって選び方が変わります。

薬の中にはNaや水分バランスに影響するものがあります。一部の利尿薬、抗うつ薬、降圧薬、痛み止め、リチウムなどを使っている人は、市販薬も含めて伝えてください。服用を止めるかどうかは処方医に確認し、自分で中断・増減しないでください。

心不全や腎臓の病気で水分・塩分の指示を受けている場合は、現在の指示内容を伝えたうえで、今回のNa値に合わせた変更が必要かを主治医に確認します。

再検査・受診までに用意する4つの情報

  1. 今回と過去の結果表。Naの値・単位・基準範囲・検査日を確認します。Naがどのくらいの期間で変わったかも判断材料になります。
  2. 症状の始まった時期。頭痛、吐き気、だるさ、のどの渇き、嘔吐・下痢、むくみ、尿の変化を伝えます。
  3. 飲み物・食事と体重の変化。水・お茶などの飲み物、食事がとれなかった期間、普段との違いを書き留めます。
  4. 薬と治療の指示。お薬手帳、市販薬・サプリの名称がわかるもの、水分・塩分制限の指示内容を用意します。
伝えたいこと書き方の例一緒に確認すること
飲み物の量250 mLのコップで、水・お茶を合わせて1日に6杯ほど飲み物は約1,500 mL。汁物などは別に伝え、普段より増えたか・減ったかも添える
体調の変化3日前から下痢が続き、昨日は夕食がとれなかった回数、水分がとれるか、尿の変化、症状の始まった日
薬の変更先週から薬が1種類増えた薬名・量・変更日がわかるお薬手帳や袋

必要な水分量は病気や治療によって異なります。飲水の目標量は主治医に確認してください。採血前の食事・水分・服薬は、同時に受ける検査でも条件が変わります。再検査の予約時に確認してください。

ナトリウムの結果と再検査の疑問

低Naと言われました。むくみがあっても脱水なのですか?

低Naには、体に水分がたまる場合と、水分・ナトリウムを失う場合があります。むくみの有無だけでは原因や飲水量は決まりません。体重、尿量、息切れ、薬と検査結果を医療機関へ伝えてください。

Naの再検査では、尿も調べることがありますか?

原因に応じて尿中Naや尿の浸透圧を調べ、腎臓からの水分・ナトリウムの排泄を確認することがあります。血液のNaとは役割が異なるため、血液の基準範囲を尿の結果に当てはめないでください。

参考・出典

情報の確認日:2026-10-27。基準範囲は各施設の公開例です。

  1. 京都大学医学部附属病院検査部「ナトリウム(Na)」:血液のNaの基準範囲。
  2. 順天堂医院「臨床検査値の基準範囲」:Naの施設基準と単位。
  3. 倉敷中央病院「検査情報システム・ナトリウム」:水分・浸透圧との関係、検査の背景。
  4. MedlinePlus「Sodium Blood Test」(英語):検査の目的、症状、採血前の確認。
  5. MedlinePlus医学百科「Sodium blood test」(英語):Naと水分のバランス、薬、高血糖などの影響。
  6. MedlinePlus医学百科「Low blood sodium」(英語):低Naの種類、尿・浸透圧の検査、原因別の治療。
  7. 消防庁「救急車利用マニュアル」(PDF):成人の緊急症状と119番通報。

Na値と治療の相談

ナトリウム異常の原因と対応は、値の変化、症状、服薬、腎機能や他の検査から医師が判断します。再検査や受診を指示された場合は、医療機関が指定した時期に相談してください。